家を売ろうと思っている皆さん、こんにちは。
不動産会社で15年営業をしている山内です。
「家を売ろうと思うんだけど、何から始めたらいいかわからなくて・・」
最近、このような相談を受けることが多いです。
そこで「家を売却する時の流れ」を書いてみたいと思います。
全体の流れを知っておくと、より良い売却ができます。
みなさまの参考になれば幸いです。
相場を知る
まずは「家を売る」ということを考えてみましょう。
売り出し価格の設定や値引き交渉など、決断をしなくてはならない場面が出てきます。
- 住宅ローンが残っている場合、最低いくらで売りたいのか?
- 似たような物件は、いくらで売れているのか?
- いつまでに売りたいのか?
など金額の目安を考えておくと良いでしょう。
目安を決めておくと、今後の決断がしやすくなります。
売却が完了するまでの流れは図の通りです。
家を売るときに「相場」はとても重要です。
相場からかけ離れた金額だと失敗する可能性が高くなります。
相場はパソコンやスマホで簡単に調べられるので必ずやっておきましょう。
査定してもらう
だいたいの相場と諸費用がわかったところで、次は査定です。
より現実的な査定額を知るために、ネット一括査定で複数社の査定をオススメします。
ネット一括査定は、スマホやパソコンで簡単な査定ができる便利なものです。
築年数や間取り・面積などの必要事項を入力していき、査定して欲しい業者に査定を依頼。
数日後メールで査定額が送られてきます。
この中から気に入った数社を選び、訪問査定にきてもらいます。
訪問査定では、実際の家を査定するのでネット一括査定よりもさらに現実的な査定金額が出ます。
売り出し価格を考える時に基準にする金額です。
ネット一括査定も訪問査定も、業者によって金額が違うので必ず複数社に依頼しましょう。
査定でだいたいの相場を把握できたら、次に売却にかかる費用を考えましょう。
印紙代や仲介手数料は売却金額によって変わるので、査定で相場が出たら計算しやすいです。
売却にかかる費用
- 抵当権抹消登記の費用:住宅ローン残債がある場合のみ必要、2~3万円。
- 移転登記:数万円
- 一括返済の手数料:住宅ローン残債がある場合のみ必要、2~3万円。
- 売却にかかる印紙代:売買契約書に貼るもの。売買代金により違うが1万円~4万5,000円ほど。現在は軽減措置があるため、1,000万円超~5,000万円以下の売却は1万円。
- 仲介手数料:売買代金×3%+6万円)×消費税 例:売買価格3,000万円の場合は約104万円※消費税8%で計算 売却代金から支払うことも可能
仲介業者に依頼する
訪問査定で来てもらった業者の中から、契約する(売却の仲介を依頼する)仲介業者を決めます。
契約の種類によって1社としか契約できないか、数社と契約できるかが違います。
契約の種類は3つあります。
専属専任契約と専任契約は、レインズ登録や売却活動を報告する義務があります。
一般媒介契約は、売却活動の中で義務付けられていることがありません。
インターネットが普及した現在では、仲介契約が1社しかできない専属専任契約と専任契約は売り主にメリットがあまりなく、選ぶ人は減っています。
仲介業者は、売り主と契約を結んだ後「レインズ」[*a]へ登録します(媒介契約の種類により、登録までの期限は異なる)。
仲介業者は、自社のお客さんで買い手が見つかるように販売活動を始めます。
レインズ登録された物件は、別の仲介業者でも買い主側で仲介ができるからです。
レインズ登録までの期間に自社で買い主が見つかれば、売り主と買い主の契約が結べます。
両者の仲介が同じ仲介業者であっても、それぞれに担当がつく場合は影響はありません。
[*a]レインズ…宅地建物取引業法にもとづき、国土交通大臣の指定を受けた不動産物件情報交換のためのコンピューター・ネットワーク・システムのこと。レインズの情報は、資格を持った会員しか見られないので、登録などの作業は仲介業者が行います。
物件公開をする
仲介業者を決めて契約を済ませたら、売却活動の始まりです。
仲介業者は、ホームページに載せたり、広告を作ったりして準備します。
仲介業者と契約するタイミングで家の写真を撮影します。
ホームページや折込チラシに載せる写真です。
もちろん綺麗で清潔感のある家の方が好印象です。
仲介業者が普段通りで良いと言っても、水まわりなどは徹底的にキレイにしましょう。
内覧
売り主は、内覧の予約が入った時のために家をキレイにしておきましょう。
値引き交渉の時のために、いくらまで下げるかなどを決めておくとスムーズにいきます。
⇒「マンション売却の内覧で300万円高く売れたテクニック集」も参考にしてください。
売却の契約をする
買い主が決まったら売却契約です。
契約の日に、売却価格の10%を契約金として買い主から受け取ります。※10%は目安です。
売り主が契約で準備しておくお金は、仲介手数料と収入印紙です。
受け取った契約金から仲介手数料を支払うこともできます。
事前に仲介業者から持ち物や金額のお知らせが来ます。
売却契約で一般的に必要なものをあげました。
契約で必要なもの
- 仲介手数料:(売却価格×3%+6万円)×消費税 ※契約時と精算時に1/2づつ支払いを分ける場合が多い。
- 収入印紙代:郵便局で購入しておく
- 権利証
- 免許証:身分証明ができるもの
- 固定資産税の課税明細書:固定資産税の納付書についているもの
- 印鑑(実印)
仲介業者が売り主・買い主の両者に説明をして、売却条件の確認をします。
問題がなければ署名捺印をして、契約成立です。
契約から引き渡しまでの間に引っ越しを済ませておきます。
売却完了(清算)
契約が終われば、あとは引き渡しまでに引っ越しを済ませましょう。
引き渡しの日に売却代金から契約金を引いた金額を受け取ります。
家は、引き渡しを境に売り主のものから買い主のものになります。
引き渡しが終われば、売却完了です。
引き渡しの日に、一般的に必要なものをあげました。
引き渡しで必要なもの
- 権利証:登記済証・司法書士が持参する場合もあり
- 抵当権抹消登記に関わる費用[*b]
- 不動産所有権移転登記に関わる費用[*c]
- 印鑑証明書:決済から逆算して3ヶ月以内に発行されたもの
- 実印:印鑑証明書の印鑑
- 免許証:身分証明のできるもの
- 評価証明書[*e]
- 売却する家のカギ全部
- 仲介手数料の残り:契約で全額支払っている場合はナシ
[*b]抵当権抹消登記…抵当権抹消登記は、住宅ローンがあり、返済が完了した時に、設定されていた抵当権の抹消をする手続きのこと。「住宅ローンを借りていた銀行に全額返したから、家を担保にしている事がなくなりました」という手続きをすること。
[*c]不動産所有権移転登記…不動産を売却すると、所有権を売り主から買い主へ移す登記をしなければいけません、この手続きのこと。「家を売ったので持ち主がAさんからBさんに移りました」という手続きをすること。
[*e]評価証明書…土地・家屋の固定資産税の評価額などについての証明書。評価証明書には、「所有者」「土地・家屋の所在」「評価額」「固定資産税課税標準額」などが記載されています。市区町村の役所で300~400円ほどで取得できます。
まとめ
いかがでしたか?
家を売却する流れが、だいたいつかめましたか?
家を売却するのは時間も労力も必要です。
だからこそ、売却を始める前に流れを把握しておくと楽になり頭が整理できます。
場当たり的で失敗しないためにも、しっかりと流れを頭に入れて始めましょう。