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【離婚】住宅ローンがある家に住み続けるリスク

この記事をご覧のみなさん、こんにちは。
不動産会社で15年営業をしている山内です。

私は、仕事がら家を売る時の質問をよく受けます。
なかでも、離婚したら家はどうなる?どうする?という内容も多くあります。

今回は、とても多い「夫は会社員・妻はパート、結婚後にマイホームを購入」という一般的な家庭で説明していきます。
住宅ローンが残っているが、離婚後も家に住み続けたい・・と考える方に、
リスクと注意点、住み続けるための手段などを書いていきます。
離婚というだけでもかなりの労力が必要で、大変です。
新しい生活が破綻しないために、ベストな選択のお手伝いができれば幸いです。

住み続けるリスクや注意点を知るための確認

離婚後も今の家に住み続けるには、まず3つのことを確認しなければいけません。
家の価値はどれくらいか
家と住宅ローンの名義人は誰か
住宅ローンの連帯保証人になっているか
この3つです。

それぞれのリスクをみていきましょう。

家の価値

まずは家の価値の確認が必要、離婚には財産分与がつきものです。
離婚での財産分与は原則半分ずつ。
家を半分にはできないので、家の価値を出して現金や他の資産で分けます。
まずは不動産会社で査定をしてもらいましょう。

より現実的な査定額を知りたい場合は、一括査定がオススメです。
売る気がなくても、財産分与の基準になるので必ずやってください。

家の価値がわかったら、住宅ローンの残りの確認です。
家の価値と住宅ローンの残りがハッキリしたら、
売ってもローンが残るのか
売ったお金でローンを完済できそうか
どちらかがわかります。
家の価値が分かれば、家に関する財産分与の金額が決まります。

家・住宅ローンの名義人

家を買うとき、ほとんどの方が住宅ローンを使います。
家の名義と住宅ローンの名義は、二世帯住宅などを除きほとんどが同じ人です。

名義人が単独の場合、離婚後にその人が住むのなら考え方はシンプルです。
相手の持分相当を換算して、現金で分ければすみます。

夫が家・住宅ローンの名義人の場合は夫が住み続けるのなら、家・ローンの名義を変える必要はありません。
ですが結婚後の築いた財産は、収入に差があっても原則半分に分けます。
結婚後にマイホームを購入していれば、査定をして家の価値の半分を現金で支払うことで家の財産分与は解決します。

家が共同名義になっている場合も、考え方は同じです。
ただ、妻の持分相当を夫が買い取ることになります。
買い取った部分の名義変更などの手続きは必要です。
家の資産価値の半分を分け合い、夫は住宅ローンが残っていれば払い続ける、これで家の財産分与は解決です。

夫が家・住宅ローンの名義人で、妻が住み続ける場合は大きなハードルがあります。
住宅ローンがある場合、
ローン名義人を妻に変える
家の名義も妻に変える
2つの手続きをしなくてはいけません。
これについては後ほど詳しく説明します。

住宅ローン の連帯保証人

住宅ローンを組んだ時、連帯保証人にはなっていませんか?
最近では、保証料を払って保証会社が連帯保証人になるケースが多いです。
二世帯住宅やペアローンなどの場合は、妻が連帯保証人になっている場合があります。
離婚しても、家の名義人でなくても、住宅ローンの名義人である夫が支払えなければ連帯保証人に請求が来てしまいます。
記憶でなく、ローンの契約書できちんと確認しておきましょう。
離婚をするなら、大変でも住まない人は家の名義・連帯保証人から外れることをオススメします。

住宅ローンが残った状態で住み続けるリスク

住宅ローンを払いながら住み続けるには、大きなリスクがあります。

夫が住み続ける場合

先に説明したように、
住宅ローンの名義人である夫が、ローンを払い続けながら住むのは支障ありません。
・妻の持分があれば買い取り、夫に名義変更
・査定をして家の価値の半分を現金で妻に支払う
・住宅ローンを払い続ける
これで家の問題は解決です。

妻が住み続ける場合

家の名義・住宅ローンの名義人は夫、妻と子どもが住むというのにはリスクがあります。
・住宅ローンの原則「住んでいる人がローン名義人」という条件を破っている
→銀行に見つかったら一括返済を求められる可能性がある
・ローン名義人の夫が住宅ローンを滞納する(払わなくなる)事がある
→突然の強制退去の可能性が高い
→金融機関は滞納すると催促をするが、宛名が夫のため妻は強制退去になるまでそれを知る手段がない。
・夫名義なので、夫が勝手に売ってしまう事がある
→夫単独の名義だった場合、家を売るのに妻の同意は必要なし。知らない間に売却され、突然退去を迫られる場合もある。

家の名義・住宅ローンの名義人は夫で妻と子どもが住むというのには、こんなにも恐ろしいリスクがたくさんあります。

では、それでも住み続けたい場合はどうすればよいのでしょうか。
理屈では簡単です、家とローンを妻の名義にすれば良いのです。
しかし、家とローンを妻の名義に変えるには金融機関の審査をパスしなければいけません。
それには住宅ローンを組めるだけの安定した職業についていることが必須条件です。
妻自身に、住宅ローンをきちんと支払っていく信用がないと金融機関は貸してくれません。

最もリスクがないのは?

では、妻にも夫にも1番リスクがないのはどんな方法でしょう?
売る」です。
そもそも家族で住むために買ったマイホームです。
家族がバラバラになってしまうのなら、住宅ローンを抱えてまで残す必要があるのかを考えましょう。

家族で住むためのマイホームは売却して、住む人数に応じた家を買うなり借りるなりした方が新しい生活のリスクは減ります。
売って現金が残れば、それも半分ずつに分けます。

まとめ

いかがでしたか?
今回は、「夫は会社員・妻はパート、結婚後にマイホームを購入」という一般的な家庭で解説しました。
離婚だけでも大変なのに、家の売却、財産分与まで本当に大変です。
ですが、離婚時にきちんとしておかないとお互い連絡が取れなくなったら大変なことになってしまいます。
新しい生活を始める前に解決しておきましょう。