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頭金なしで住宅ローンを組むメリット・デメリットまとめ

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マイホームを頭金なしで購入しようと考えている皆さん、こんにちは。
ハウスメーカーで10年営業をしている大林です。

「頭金なしで住宅ローンを組むことは無謀ですか?」

私は仕事柄、このような質問をよく受けます。

そこで今回は「頭金なしで住宅ローンを組むメリット・デメリット」について書いてみたいと思います。参考になれば幸いです。

デメリット1:売りたいのに売れない

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まず、資産価値が減少することに備えるのなら頭金は入れた方がいいです。

住宅を売る時のことを考えると、「担保割れ」といって売りたいときにローン残高より売値が下回ってしまうこともあります。
支払い当初は利息を多く支払うことになるため、早い時期に売ろうとするほど元金が多く残っているのです。

また、購入額の2~3割はハウスメーカーや工務店の利益になるため、購入時点での資産価値は既に残りの7~8割程度しかありません。

例えば4,000万円のマンションをフルローンで購入するとします。その時点で2割ほど差し引いて資産価値は3,200万円ほどです。
その後、資産価値は年数が経つにつれて下がっていき、20年でゼロになると言われています。(一部地価上昇地域では地価が横ばい、もしくは上昇することもありますが…)

購入2年後ではだいたい資産価値は3,000万円くらい。一方、住宅ローンの残高は一般的なプランなら3,800万円ほど。
つまり、その差額である800万円を用意しないとマンションを売ることができないのです。

購入額の2~3割を頭金として用意しておいた方がいいと言われるのはこのためです。

買うときから売る時のことはなかなか考えることができないかもしれませんが、人生何があるかわかりません。
転勤や転職、やむを得ず売却する場合のリスクも頭に入れておきましょう。

デメリット2:ローンを組めない場合がある

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頭金がないことで住宅ローンの審査が厳しくなることもあります。

先ほど述べたように、頭金がないともしもの時に住宅を売却しても、ローンの残高を完済することができないことがあります。
銀行はその結果貸し倒れるリスクを恐れているのです。

フラット35が「購入金額の9割まで」を融資条件にしているように、1~3割の頭金が必要とされている住宅ローンががあるのはこのためです。

最近では頭金なしでも住宅ローンが借りられる金融機関も多くありますが、頭金が条件に含まれている住宅ローンの方が金利が低いこともあります。

デメリット3:返済で苦しむ

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頭金なしで住宅ローンを借りる最大のデメリットは、返済が苦しくなるということでしょう。頭金+利息の分だけ返済額が多くなるからです。

まず、月々の返済額の負担が大きくなります。

例えば3,000万円を借りた場合、金利1.75%・返済年数35年とすると、月々の返済額は95,000円ほどになります。
一方2,000万円借りた場合、月々の返済額は63,000円ほどです。頭金1,000万円払うだけで毎月3万円も違うことになります。

月々の負担は小さいほうがいいですよね。せっかく新しい家を買っても、生活が質素では虚しいだけです。

また、支払い利息の総額も頭金の有無で大きく変わります。他にも、借り入れ金額が多いほど、融資手数料や登録免許税、団体信用生命保険料などの諸費用も高くなります。

頭金を払ったほうが、返済総額は安く済むのです。

一旦デメリットのまとめ

頭金なしで住宅ローンを借りるとリスクが多そうですね。
売れない可能性もあるし、返済額も多いし、 ローンを組めないことだってあるし…。

では、今の貯金をそのまま頭金に回した方が良い?今から頑張って頭金を貯めた方がいい?

ちょっと待ってください。頭金なしで建てるメリットもあります。

メリット1:今すぐ買える

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物件や土地との出会いは一期一会です。
数年待ってようやく条件に合う物件が出てくることもあれば、探し始めたらすぐに運命的な物件に出会うこともあります。

そうして出会った物件は、条件が良いほどすぐに売れてしまいます。そして同じような物件は二度と現れないかも…。

頭金が貯まるのを待っていては、理想の物件を逃してしまうのです。
運命の物件が見つかったタイミングでベストな物件が買えなければ、頭金を貯める意味はありません。

メリット2:今なら低金利

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頭金を貯めている間に、頭金以上に損をすることがあります。

今住宅ローンを借りないと、金利が上がってしまう可能性があるからです。

「余計な支払い利息を払いたくないから」と頭金を貯めている間に、金利が0.2%ほど上がるだけで結局支払い利息も上がってしまうのです。

更に頭金を貯めている間、賃貸住まいであれば家賃もかかります。低金利時代の今、早めにローンを組んだ方が得と言えます。

メリット3:手元に残しておいた方が安心

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これから頭金を貯めるのは損することがあると言いましたが、既に頭金を準備できている場合はどうでしょうか。

住宅購入には諸経費がかかります。諸経費も民間金融機関であればローンに組み込むこともできますが、その分利息が増えることになります。

他にも、引っ越し費用、家具・家電など、現金で必要になる場面が多くあります。

将来、車を買うとき自動車ローンを組むと住宅ローンよりも金利は高くなります。

頭金として今ある貯金をつぎ込んでしまうより、想定外の出費に備えて手元に残しておいた方が安心です。

メリット4:他で運用した方が得

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頭金や繰り上げ返済に回さずに、他で運用した方が得な場合があります。

頭金を入れないとその分利息が多くかかりますが、住宅ローンを上回る利回りで資産運用できれば支払い利息以上に得をするのです。

例えば頭金500万円を払わずに1%の金利で住宅ローンを借りたとします。頭金を入れた場合と比べて、500万円分の利息である5万円を余分に支払うことになりますね。

しかし、その500万円を金利3%で運用したらどうでしょう。年間15万円の儲けです。

つまりこの金利差2%分=年間10万円がプラスになるのです。

もちろん資産運用にはリスクが伴います。しかし低金利である今だからこそ、住宅ローンを上回る利回りで運用することが可能になっているのです。

また、頭金として入れてしまうともしもの時にはもうそのお金を使うことはできませんが、運用していれば途中解約することもできるという安心もあります。

メリット5:住宅ローン控除を多く受けられる

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「頭金を入れない方が住宅ローン控除で得をする」とは限らないので注意。

しかし、10年間の住宅ローン控除を受けた後、頭金と同じ額を繰り上げ返済した方が得になることがあります。

住宅ローン控除とは、住宅ローンを借りると10年間、ローン残高の1%分の税金が所得税から控除され、確定申告で戻ってくる制度のこと。

つまり、借入れ後10年間はローン残高が多いほど、より多く控除を受けることができるのです。

もちろん、限度額があるため控除のためだけに借入額を増やしてしまうのは損することもあります。

10年後に繰り上げ返済した方が得するかどうかは、所得税額によっても変わってきますので一度シミュレーションしてみると良いでしょう。

メリット6:もしもの時には団信でチャラになる

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もし住宅ローン返済期間中に契約者が死亡もしくは高度障害になった場合、団体信用生命保険に加入していればローン残高はゼロになります。

ということは、頭金や繰り上げ返済で頑張って返済した人ほど、実は損をしてしまうのです。

死亡した時のことをあまり考えたくはありませんが、生命保険だと考えてもしもの時に他に残せるお金があった方が安心です。

まとめ

頭金なしで住宅ローンを借りると、デメリットだけでなくメリットも多くあることがわかりました。

頭金が必要かどうかは、年収や手元資金、年齢、借入期間、地価による売却リスク、投資の知識があるか、などによって異なります。

ハウスメーカーの担当者などに任せきりでなく、お金の知識をつけて自分でお金の使い道を見極めてくださいね。