マンションを一戸建てに買い替えようと悩んでいる皆さん、こんにちは。
不動産会社で15年営業をしている山内です。
「マンションを一戸建てに買い替えようと思うんだけど、疑問や不安がたくさんあって・・」
最近、このような相談を受けることが多いです。
そこで「マンションを一戸建てに買い替える時の不安や疑問と回答」を書いてみたいと思います。
その中でも今回は、8つの代表的な質問をあげました。
参考になれば幸いです。
目次
Q1:購入が先?売却が先?
A:「売却が先」の方がリスクは少ないです。
住み替えで心配されるリスクは2つあります、お金と住む場所です。
「購入が先」は、欲しかった家が確実に手に入るというメリットがあります。
しかし、マンションがすぐに売れなかった場合は2つの住宅ローン+マンションの管理費や修繕積立金などを払い続けなければいけません。これはお金の面での大きなデメリットです。
「売却が先」は、売って売却代金がすでに入っている(またはマンションの住宅ローンがなくなっている)ので、お金の心配がないのが大きなメリットです。
ですが、マンションを引き渡す時には引っ越しを済ませておく必要があります。購入する一戸建てを契約するまでは、どこかに仮住まいしなくてはいけない、というのがデメリットです。
実際には、購入する一戸建てに全く目星がなく住み替えを実行に移すことは少なく、エリアや開発地区などだいたい決まっていることが多いです。
リスクで考えると、買い手が現れない限りいつ売れるか分からない「購入が先」よりも、一戸建てが決まればゴールの、「売却が先」の方がリスクが少ないのでオススメです。
Q2:住宅ローン残債があっても買い替えはできますか?
A:はい、できます。
買い替えを進めていく上で資金の計画を立てることはとても重要です。
まずは、マンションがいくらで売れるのか、ローン残債がいくらあるのかをきちんと把握しなくてはいけません。
ローン残債は自身で確認できるので、マンションがいくらで売れるのかを査定してみてください。
住宅ローンよりもマンションの査定額の方が多ければ、差額を一戸建ての頭金や諸経費にできます。
住宅ローンの方が多い場合も、不足額を自己資金で補うか、一戸建ての住宅ローンに不足額を上乗せする買い替えローンを利用するという方法があります。
Q3:査定は1社でいい?それとも複数がいい?
A:複数査定した方が、成功しやすいです。
買い替えを成功させた方たちは、みなさん複数の査定を依頼しています。
下の体験談にもありますが、同じマンションでも不動産会社によって査定額に違いが出ます。
複数の査定を取った方が幅広く買い手を探せるので、結果的により高く売却できるのでしょう。
査定を多く取ったからといって、売却価格が安くなったり悪い影響はありません。
査定を複数取って成功した体験談
- 売却を急いでなければ絶対3社以上査定した方がいい、最初3社やって数百万の違いに驚いて2社追加した。(47歳/女性)
- あまり多くても対応で自分が忙しくなるだけなので3社ぐらいがちょうど良い。(60歳/男性)
- 最初の査定は8社。それから絞って、最終的には2社と契約した。(42歳/男性)
- 複数がいいと思う。5社に査定を依頼したが中には合わない人もいたので1社だとキケン。(55歳/男性)
⇒「マンション売却成功体験談!プラス400万で売れた話」
Q4:住宅ローンを2つというのはどうですか?
A:住宅ローンを2つはキケンです。
住宅ローンを2つ組むということは、毎月の支払いが2つ。それに、2つの住宅ローン審査をパスする年収が必要です。
住宅ローンを2つよりも、Q2で少し触れた買い替え(住み替え)ローンをオススメします。
買い替えローンは、マイホームを買い替える人だけが使えるローンです。住宅ローン残債があるマンションを売った不足額を、新たな住宅ローンに上乗せして組めるもの。
買い替えローンなら、住宅ローンは「新しい家のローン+不足額」の1つで済みます。
Q5:買い替えるマンションを売ると貸すでは、どっちがオススメ?
A:特別な理由がない限り、売却をオススメします。
貸すと毎月家賃収入が入ってきます。ですが、大変なことが多いのが現実です。
貸した場合のメリット・デメリットをよく理解して判断しましょう。
Q6:買い替えにかかる費用は?
A:買い替えには、「購入」「売却」それぞれに費用がかかります。
費用のほとんどは税金や登記のためのもので、金額が決まっています。
「購入」と「売却」それぞれ見ていきましょう。
購入にかかる費用
- 住宅ローンの諸経費・・・借入金額や銀行によって異なる。例:2,000万円35年の住宅ローン、保証料42万円・事務手数料3万2,000円
- 火災、地震保険料・・・物件により異なる。
- 公租公課・・・固定資産税、都市計画税、不動産取得税のこと。金額は土地や建物により異なる。
- 購入にかかる印紙代・・・売買契約書に貼るもの。売買代金により異なるが1万円~4万5,000円ほど。
- 登記費用・・・物件、司法書士により異なる。
- 仲介手数料・・・仲介業者から購入した場合、(売買代金×3%+6万円)×消費税。不動産会社など持ち主(ハウスメーカーや工務店)から直接購入した場合はかからない。
一般的に、合わせると物件価格の5~10%と言われています。
売却にかかる費用
- 抵当権抹消登記の費用・・・住宅ローン残債がある場合のみ必要。2~3万円。
- 移転登記・・・数万円
- 一括返済の手数料・・・住宅ローン残債がある場合のみ必要。2~3万円。
- 売却にかかる印紙代・・・売買契約書に貼るもの。売買代金により異なるが1万円~4万5,000円ほど。
- 仲介手数料・・・(売買代金×3%+6万円)×消費税 例:売買価格3,000万円の場合は約104万円
戻ってくるお金
マンションを売却すると戻ってくるお金もあります。
- 固定資産税・・・1月1日の所有者に対して請求があるので、日割りで買い手から戻ってきます。
- 火災、地震保険料・・・5年や10年の固定年数での料金を支払っているので、日割りか月割りで戻ってきます。
- マンションの管理費等・・・先払いがほとんどなので、所有者が変わった月からの分が戻ってきます。
- 住宅ローンの保証料・・・住宅ローンを初めに組んだ年数分の保証料なので、経過していない分の保証料は戻ってきます。
Q7:買い替えでは、どんな税金がかかりますか?
A:買い替えをすると、購入では5つ、売却では4つの税金がかかります。
購入でかかる税金
- 印紙税・・・売買契約書に貼る収入印紙のこと。郵便局で購入、契約時に持参する。
現在は軽減措置があるため、1,000万円超~5,000万円以下の契約は1万円。 - 登録免許税・・・登記移転時に必要。登記手続きを依頼した司法書士に頼む。
- 固定資産税、都市計画税・・・1月1日の所有者に請求がくる。契約前の持ち主(ハウスメーカーや工務店)に、引き渡し後~同年12月31日までの分を支払う。翌年からは自宅に納付書が郵送される。
- 不動産取得税・・・不動産を取得した時に支払うもの。6ヶ月~1年経って納付書がくる場合もある。
- 消費税・・・一戸建ての場合は建物にかかる、土地にはかからない。また、仲介業者を介して買ったら仲介手数料にもかかる。
売却でかかる税金
- 印紙税・・・売買契約書に貼る収入印紙のこと。郵便局で購入、契約時に持参する。
現在は軽減措置があるため、1,000万円超~5,000万円以下の売却は1万円。 - 登録免許税・・・登記移転時に必要。登記手続きを依頼した司法書士に頼む。
- 固定資産税、都市計画税・・・1月1日の所有者に請求がきているのでその1年分を先払いしている状態。売った後(引渡し後)からはは買い主が負担する。契約時に買い主から引渡し後~12月31日までの分を受け取る。翌年からはマンションの分の請求は来ない。
- 消費税・・・仲介手数料にかかる
- 利益が出た場合は、所得税もかかる。
Q8:買い替えでも住宅ローン控除(減税)を使えますか?
A:はい、使えます。
買い替えでも、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は使えます。
これは、住宅ローンでマイホームを新しく買い、諸条件を満たしていれば何度でも使えます。
また、”居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例(3,000万円控除)”というものもあります。
この3,000万円控除は、マイホームを売却して利益が出た場合にかかる所得税を軽くする制度です。
しかし、残念ながら住宅ローン控除と3,000万円控除は両方使えません。
住宅ローン控除と3,000万円控除をそれぞれ計算して、どちらがお得なのかしっかり考えてください。
多くの方は、最長10年間控除される住宅ローン控除の方がお得になります。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「マンションを一戸建てに買い替える時の不安や疑問と回答」の代表的なものを8つあげました。
買い替えは、売ると買うのタイミングが大切です。
まずは資金計画の第一歩として、今のマンションの査定してみてください。
住宅ローンの残債と査定額のバランスをしっかり把握することが、買い替え成功の第一歩です。